狂犬病の予防接種のお知らせが毎年、保健所から届いていました。
近くの公民館や公園に、ワンちゃんを連れて行って狂犬病の予防接種をしてもらうのですが、私はいつも動物病院で接種していました。
生後3か月過ぎから混合ワクチンなどを接種していた獣医さんだったので、全く知らない獣医さんに集団接種で接種してもらうよりも、安心でした。
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このような質問にお答えします。
狂犬病予防接種で心配な方や悩んでいる方は参考にしてくださいね。
狂犬病予防接種って、必要なの?
必要です。
狂犬病って、日本では根絶している病気です。
狂犬病の予防接種が今でも行われている理由は、海外では狂犬病でなくなる人が年間5万人以上あり、人への感染が多いのは犬だからです。
狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入、および極め て稀ではあるが、濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症する人獣共通感染症である。
狂犬病は4 類感染症全数把握疾患に定められており、診断した医師は直ちに保健所に届け出る必要がある。
参照元:国立感染症研究所
狂犬病は、全ての哺乳類が感染します。また、感染したらほぼ100%死に至ります。
このようなことから、狂犬病の予防接種は必要です。
狂犬病の予防接種って、人間も必要なの?
日本では、昭和31年を最後に発症例はありません。動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。現在、日本は狂犬病の発生のない国です。
海外で狂犬病に感染した動物から噛まれて帰国して発症したという例が2例あります。狂犬病が発症している国へ渡航する場合は人間でも予防接種が必要です。
狂犬病の予防接種を受けられる医療機関については、検疫所のホームページで確認してください。
狂犬病予防接種の値段は?
狂犬病注射の料金は、注射料金が2,500~3,000円、ワクチン接種を証明書の発行手数料550円が必要です。
各自治体がサイトに公開してますので参考にしてください。
注射手数料料金 | 済票交付手数料 | 合計 | |
福岡市 | 2,650円 | 550円 | 3,200円 |
東京都中央区 | 3,100円 | 550円 | 3,650円 |
大阪市 | 2,700円 | 550円 | 3,250円 |
狂犬病予防接種の間隔は、どれくらい空けたらいいんですか?
日本では、生後91日以降のすべての犬に対して1年に1回の狂犬病ワクチンの接種が法律で定められています。
問題となるのは、新たに犬を飼い始めたときです。
犬を新たに飼ったときはどうなのでしょうか?
犬の登録と狂犬病の予防接種が必要です。
登録については、狂犬病予防法により飼い始めた日もしくは生後90日を経過した日から30日以内に登録の届出を行わなければなりません。
狂犬病予防接種
飼い始めた年 | 飼い始めた日から30日以内 |
翌年以降 | 毎年4月1日から6月30日までの間 |
犬の登録と狂犬病予防接種済票交付手順
- 動物病院で狂犬病予防接種をすませ、狂犬病予防接種の注射済証明書の交付を受ける
- 市町村の犬の登録窓口で犬の登録を行う。
- 市区町村の注射済票交付窓口で,狂犬病予防注射済票の交付を受ける。
費用は、犬の登録に3,000円、狂犬病予防接種の費用はお住まいの自治体によって違います。
犬の登録を行うと犬鑑札が、
狂犬病予防接種の注射済証明書をとどけると、狂犬病予防注射済票がもらえます。
狂犬病予防接種以外に混合ワクチンを接種する場合
狂犬病の予防接種は法律で義務付けられていますが、狂犬病以外の混合ワクチンはワンちゃんを病気から守るためにワクチンです。
子犬のワクチン接種
犬も生まれた時に母親からの免疫を受け継いで生まれてきます。ところが時間の経過とともに免疫力が弱くなってきます。
そのためにワクチンを接種して免疫力を高めるために数回ワクチンを接種します。
狂犬病予防接種と混合ワクチンを接種する場合は、どちらを先に接種するかで間隔の開ける期間が違ってきます。
ワクチンの違いで混合ワクチンは生ワクチンと言われ生きた病原体を弱毒化しているもので狂犬病のワクチンは不活化ワクチンと言って病原体が死んでいる(死滅)ワクチンだからです。
- 混合ワクチン→狂犬病予防接種の場合は4週間以上の間隔
- 狂犬病予防接種→混合ワクチンの場合は1週間以上の間隔
ワクチンのスケジュールを獣医さんと相談しながら決めていきましょう。
狂犬病予防接種を忘れた場合、どうすればいいですか?
公民館や公園で実施される狂犬病の予防接種を忘れた場合は、1年以内に近くの動物病院で接種しましょう。
接種を忘れたのが故意ならば、20万円以下の罰金が発生します。
しかし、故意に忘れたのでなければ、罰金は発生しません。
狂犬病予防注射を毎年していないと、「狂犬病予防法」違反にはなります。
狂犬病予防接種が免除になることってありますか?
もちろんあります。
私たちも予防接種を受けるときに体調が悪かったり熱がある場合は受けられません。この場合は体調化回復してから狂犬病予防接種をうけます。
しかし、老犬や病弱な犬は狂犬病予防接種で命を落とすかもしれません。
そのようなときは獣医に頼んで狂犬病注射猶予証明書を発行してもらいましょう。
狂犬病注射猶予証明書とは?
獣医が狂犬病の接種を猶予したほうが良いと判断した場合は、狂犬病注射猶予証明書を発行します。
その後の手続きは、狂犬病の案内ハガキと一緒に猶予証明書を管轄の市区町村の担当部署に提出しなくてはなりません。動物病院が行ってくれるところもあります。
有効期間は1年です。
猶予証明書の値段は、狂犬病予防注射と同じくらいの費用がかかります。
狂犬病予防接種:まとめ
日本では、昭和31年を最後に発症例はありません。動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。現在、日本は狂犬病の発生のない国です。
だから、狂犬病の予防接種を廃止すればいいという声も上がっています。しかし、日本と同様に50年以上狂犬病の発症がなかった台湾で野生動物間で狂犬病が流行しました。
一度感染したらほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。
私もワンちゃんを飼っている間は毎年狂犬病の予防接種を続けていました。
予防接種はもういらないという人もいるようですが、自分の飼い犬が狂犬病を発症したら、もしその犬が人様をかんだ場合、いったいどのように責任を取っていいのかわかりません。
車の保険と同じようにもし何かあった場合の保険と考えて、狂犬病の予防接種を受けましょう。
社会に対する飼い主の責任だと考えます。